「うぉー。ビックリした。面白い。こんなワクワクできる映画は滅多に無いよ。凄いぞ」
「そんなにいいの?」
「まさに。素晴らしい」
「どこが良いの?」
「まずは貧乏旅行ぶり。各地で味方を作りながら旅をするたらしぶり。男も女もイチコロよ」
「えー」
「そして速ければそれで敬意を勝ち取れる世界。全ての異論は、速さの前では黙る」
「他には?」
「ニュージーランドで勝負して勝った暴走族達は、途中で転ばなければ負けていたことを分かっていて、旅立つときにバイクで一緒に走ってくれる。あそこはいいね」
「へー」
「ちなみに、インディアンはバイクの名前なのだがね。本物のインディアン(ネイティブアメリカンという意味での)も出てきて、けっこうフランクに付き合ってくれる」
「なるほど」
「それからね。いちいち道具を自作したり車を修理したりするんだよ、主人公が。この手を動かしてる感が凄くいいね」
「最速のマシンも自分で改良してるわけだね」
「そうそう。だから最後まで自分で調整している」
「そこは意味があるのだね」
「あるある。とてもある。いちいち自分でやるから、映画に面白さが出る」